スクラム運営に失敗した話

はじめに

スクラムマスター始めましたを書いて半年で失敗しました、という話をするのは大変かっこ悪いのだけど、事実なのでどうしようもない。

チームでのスクラム運営に失敗した。

ベロシティは上がらず、スクラムへの不信感は募り、チームは解散とまでは行かないが空気は悪くなった。

今はスクラムではなく、カンバンで開発を進めている。

自分もスクラムマスターをやめて、ただの開発者をやっている。

失敗したままにしておいても仕方ないので年末らしく反省をする。

主な失敗の原因

チームのスクラム理解

メンバーのスクラムに対するモチベーションによって変わる部分かなと思う。

自分のチームの場合、スクラムをやることで複数のスクラムイベントで開発を阻害されると感じた人間が多かった。

とりあえずはじめてみればわかるよでやってみたが、イベントは邪魔という観念が拭えないままになってしまった。

チームにスクラムの価値をしっかり説くところから始めるべきだった。

社内の他チームの話を聞いたところ、スクラム開始前に毎日五分間スクラムについてを説明し続けたというスクラムマスターがいて、そういった手順を取るべきだったと思う。

 

スクラムのプロセスにこだわりすぎた

各種イベントを実施し、しっかりイテレーションを回していくことがスクラムだとこだわりすぎた。

最初のチームの理解度の話にも繋がるが、いきなり全部を完璧にやろうなんていうのは無理な話だった。

あれもこれもとなって、自分の準備もチームの理解も半端なままになった。

失敗を踏まえた結果、スクラムで本当に重要なのはレトロスペクティブ(ふりかえり)だと考えている。

きちんとふりかえりで反省し、次のスプリントがさらに良いものになっていけば、チームも良い雰囲気で開発していけたかもしれない。

今ならば、レトロスペクティブだけ取り入れて、他は徐々に進めていくようにすべきだと思える。

開発を一切せず、スクラムマスター業に集中した

初めてのスクラムマスターだからと気負って、教科書的に開発を一切やらなかったが、これがむしろよくなかった。

熟練したスクラムマスターならばよかったかもしれないが、少なくとも新米がやるべきことではなかった。

結果として、チームの生産性にポジティブな影響を与えられず、チームからはむしろ開発に入ってほしいと思われ、自分でもこんなことをしてていいのかとメンタルに負荷を感じることになった。

プロダクトリリース期限をある程度意識せざるを得ない環境でも合ったため、チームは『Elastic Leadership』でいうところの「サバイバルモード」に入っていた。

この状態で新しいこと(=スクラムの導入)は挑戦的すぎた。

自分も開発を行い、チームから信頼を得ながら、なるべく早くチームが「サバイバルモード」から抜け、その上でスクラムを実践していくべきだった。

 

最後に

振り返ってみても、初めてのスクラムマスターということで正直気負っていたなあと思う。

その結果として、チームをいい方向に持っていけず、チームメンバーには本当に申し訳なかった。

今、チームはずっとうまく回っていると感じる。自分としても開発者として力を発揮できている。

スクラムマスターとして意識していた、チームの働き方や周囲へのアウトプットの見せ方は引き続き意識できていると思う。そういった経験を使って、チームメンバーにはお返ししていきたい。