心理的安全性のつくりかた

 

 誤解されがちな心理的安全性がどういったものであるか、丁寧に解体するところから始まり、その実践について触れていく本。

一章が心理的安全性が意味するところについて書かれていて特に為になる。心理的安全性は緩い職場を意味しないが、では具体的にはどういったものかというのが安全と基準を元にした四象限の分類で的確に示されている。

また、心理的安全性は、「タスクのコンフリクト」に効果があるという分析結果も納得がいくものだった。心理的に安全であれば、コンフリクトを恐れず仕事をでき、それはより良い仕事に繋がる。わかっていてもなかなか難しい内容ではあって、これは二章以降で示される実践方法によって変えていくしかないのだろう。

個人的には二章の自分のマインドセットを変える話がタイムリーでよかった。職務上のロールが変わったばかりで、自分で自分のミスを責めがちなのだけど、前向きなマインドになっていくことを示されるだけでも、少し気持ちが楽になった。弊社は心理的安全性が比較的高い会社だと思うのだけど、自責傾向の強い自分のような人間は、自分で自分の機嫌をとる必要はある。

五章の実例やアクティビティを見ていても、やっぱりまだまだ自分でも十分にできていないことがあり、特に弱さをさらけ出すことが十分ではないなと感じる。わかっていても難しいなあと思っているときに、わかっていることでも書いてある本を読むと背中を押されることはあるなあと思う。