イシューからはじめよ

 

問題解決のためのフレームワークを提案する大ベストセラー。イシューとして問題の本質を切り出すこと、そのイシューにどう取り組んでいくのか、さらに掘り下げていくこと。言われてみると簡単ながら意外と難しい、この手順を具体例も交えながら紹介しています。

全てのビジネスマンが対象といってもいいような本ですが(それゆえ売れたとは思いますが)、特にスクラムのプロダクトオーナーをしている人が読むべき本として薦めたいです。プロダクトオーナーのミッションは、プロダクトをいかに成長させていくかです。そこで必要なのは、プロダクトの伸ばすべき領域を見極め、その実現のためにはどうすれば良いかを考え、さらにその方法やみるべき領域を順にドリルダウンさせていきます。この流れは、本書のイシューを作成し、サブイシューに砕いていく考え方と繋がります。プロダクトの成長という課題をイシューとして取り上げ、本書の考え方を適用していくことで、プロダクトオーナーとしての業務が進められるでしょう。

僕自身、先日までプロダクトオーナーをやっていましたが、それがプロダクトオーナーを担当する初めての機会でした。正直いって、あまりうまくやれたとは言い難いです。ここでいうイシューの見極めが甘く、方針変更をなんども余儀なくされました。イシューを見極めるために、周囲の人間にどんどん働きかけ、必要な事項を知ることも十分にはできていませんでした。終わってみるとなんであんな簡単なことができなかったのか、という感じですが、失敗しての知見ということでしょう。渦中にいる間は全くでした。その時にここでの考え方を知っていれば、いささかなりともマシにできていたのではないかと思います。スクラムガイドなどでプロダクトオーナーの価値や業務は記載されていますが、より具体的にPBIをどう作り、洗練させていくか、というのは難しい課題です。そこで本書は最適なガイドとなるのではなるでしょう。自分でもこの知見を踏まえて、次はうまくやりたいものだと思います。